2012年12月12日水曜日

フランス在住の中国人は「ずるく、ケチで、拝金的で、仕事中毒」




●仏華字メディア・欧州時報は、フランス社会で「差別されても声を上げない」中国人という風潮に変化が起き始めていると報じた。写真は週刊誌ル・ポワンの表紙。



 はるか昔になるが、アメリカが封じ込めていた中国を承認し、いろいろな手助けをしてくれた大国があった。
 それが、フランス。
 フランスとしては「対米」、すなわち戦後のアメリカの日の出の勢いをけん制するための政策ではあったのだが。
 よって、フランスと中国は仲のいい間柄にあった。
 しかし、中国が台頭していくにつれ、中国と利害がぶつかり、いまでは中仏関係は最悪。
 ユーロ圏でドイツが一人勝ちしているのは、このすき間を縫ってドイツが中国に経済進出しているため。
 フランスは中国の「政治的まった」によって、甘い汁が吸えないでいる。
 時代は変わるものである。
 日本人も昔、フランスからは
 「ウサギ小屋に寝るトランジスタセールスマン」
と、揶揄された歴史を持っている。


レコードチャイナ 配信日時:2012年12月11日 19時4分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=67345&type=0

「狡猾でけちで拝金主義」中国系住民を揶揄した週刊誌を提訴―フランス

2012年12月11日、仏AFP通信の報道によると、同国の反人種差別団体・SOSラシスムが
 「在仏華人を侮辱した」
として週刊誌ル・ポワンを提訴した。

 ル・ポワンは今年8月23日号の
 「在仏華人の狡猾な成功」
と題した記事で、同国に在住する中国系住民を
 「狡猾でけちで拝金主義のワーカホリック」
と表現した。
 具体的には、中国人ビジネスマンの5大特徴として、
1.毎週80時間以上働き、
2.仕事場で寝起きし、
3.従業員への賃金を踏み倒す
などと綴った。
4.また女性に関しては売春婦
と描写した。

 フランス華人青年協会(AJCF)の広報は、「記事は侮辱に満ちている」と怒りを隠さない。
 SOSラシスムは
 「ユーモアや冗談を口実とした人種差別には節度というものがある」
と主張。
 この案件に関する公聴会は、翌1月24日に開かれる。




サーチナニュース 2012/12/11(火) 16:59
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1211&f=national_1211_021.shtml

現地華人も激怒…仏誌「中国人はずるく、ケチで、拝金的で…」

  フランスの反人種差別団体「SOSラシスム(SOS Racism)」は10日、同国の著名雑誌「ル・ポアン(Le Poin)」を、フランス在住の中国系住民を侮辱(ぶじょく)したとして告訴した。中国国際放送局などが報じた。

  「SOSラシスム」におよると、「ル・ポアン」は8月23日発売号で
 「フランスにおける中国人のずる賢いな成功」
と題する記事を掲載した。
 同記事は、フランス在住の中国人は
 「ずるく、ケチで、拝金的で、仕事中毒」
と誹謗(ひぼう)した。

  中国人商人の特徴としては
 「毎週80時間働く。
 店の中で寝る。雇用しても賃金の支払いを拒む」
と表現。
 中国人女性のイラストも、「売春婦」に見えるように描いたという。

  フランス華人青年協会(AJCF)の広報担当者も「侮辱と誹謗に満ちあふれた記事」と怒りをあらわにした。

  「ル・ポアン」社社長は
 「ユーモア文学の作品。曲解されてしまった」
と釈明したが、「SOSラシスム」側は
 「ユーモアという名の各種の冗談も、必然的に限界がある」
と、「ル・ポアン」側の釈明を認めない考えだ。





レコードチャイナ 配信日時:2013年1月3日 0時55分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=68095&type=0

中国人への侮辱はユーモア?
仏雑誌を華僑団体が提訴―華字メディア

 2012年12月31日、仏華字メディア・欧州時報は
 「華人じゃなくて、黒人やアラビア人、ユダヤ人だったなら、大騒動になりかねない」
と題した記事を掲載し、フランス社会で差別される中国人に変化が起き始めていると報じた。
 31日付で中国新聞網が伝えた。

 フランスでは「華人」や「中国人」に関する話題というは、驚くほど「開放的」であり、中国人や華人、華僑コミュニティに対するどんな冷やかしや侮辱の言葉も許され、それが一種の
 「ユーモア」や、
 「ポリティカル・コレクトネス(言葉や用語に社会的な差別・偏見が含まれていない公平さのこと)」
として受け入れられる。

 分かりやすい例として、フランスの有名香水ブランドの社長は、テレビのインタビューで黒人を指す蔑称「ニガー」を使用したことで、6000ユーロ(約70万円)の罰金の支払いを命じられただけでなく、黒人による世界規模の同香水のボイコット運動が起き、本人が公式に謝罪する事態にまで発展した。
 一方、某コメディアンはテレビ番組で何度も中国人を指す蔑称を口にしているが、何のお咎めもなしである。
 それは一種のハイセンスな「ユーモア」として扱われる。
 その結果、フランスでは中国人や華人、華僑に対する差別は、咎められることもなく堂々とまかり通っている。

 しかし、このような風潮に今、変化が起き始めている。
 上述の話は、フランス華僑青年協会の会長が、フランスの週刊誌「LE POINT(ル・ポワン)」が8月23日に、
 「悪巧みで大成功した中国人」
というタイトルで掲載した文章に対して、述べた言葉である。
 フランス華僑青年協会は、ル・ポワンの文章があまりにも偏見に満ちており、「ギャング」や「娼婦」などといった差別用語で、フランスで生活する華人を侮辱し、明らかな人種差別を行っているとして、フランスの反人種差別団体「SOSラシスム」を代理に、週刊誌ル・ポワンを提訴した(フランスの法律では、成立年数が5年以上の協会でないと法的訴訟を行うことができない。フランス華僑青年協会は2009年に設立されたため、代理を立てて訴訟を行う)。

 中国人や華人、華僑に対する人種差別が存在していることは、争う余地もない事実である。
 「人種差別」というと、正義感が強いフランス人には受け入れられないかもしれないが、彼らの中に、中国人に対する潜在的な差別意識が存在するのは事実だ。
 華人と言えば、
 「犬を食べる」
 「偽物を製造する」
 「マネーロンダリング」
などのマイナスのイメージが付きまとう。
 フランスで生活する華人は誰しも、少なからず、この種の差別や不平等な待遇を受けたことがあるに違いない。
 敏感で、プライドが高い中国人なら、フランスに来て数日で、この特殊な中国人に対する人種差別を感じることができるのではないだろうか。
 長年生活していれば、なおさらだ。

 これらの差別が感情の上に留まっていればまだしも、一部では、それが中国人に対する窃盗や強盗などの犯罪事件にエスカレートする。
 フランス北部のサン・ドニにあるチャイナタウンでは、概ねどの店も武装した犯罪者による強盗に遭っている。
 もはや、それはニュースにもならない日常的な出来事である。
 このような差別が、華人の身に危険を及ぼすような直接的な犯罪行為になりつつあることを受け、パリでは2年連続で華人による大規模なデモが行われている。

 実際、華人に対する人種差別には、往々にして「ポリティカル・コレクトネス」という大義名分が付いている。
 つまり、中国は西側諸国の基準で見た民主主義国家ではないため、中国人を堂々と差別しても、罰を受けることはない。
 それこそ、今日のフランス社会に氾濫する中国人に対する人種差別の特徴である。

 文学作品でも、中国人や華人、華僑に対する明らかな人種差別は見受けられる。
 映画でも、華人コミュニティは往々にして、ギャング集団として描かれる。

 数年前まで、パリの空港では、中国人だけが入国検査を受けなくてはならなかった。
 中国政府の抗議によって、この規定はなくなったものの、フランス旅行経験者の多くが、帰国後に駐中国フランス大使館に呼ばれ、不法滞在せずに「きちんと」帰国したことを証明しなければならないという経験をしたことがあるのではないだろうか。

 当初、初めてフランスに足を踏み入れた中国人は言葉も通じず、生きていくことに必死で、法に訴えて、自らの尊厳を守ることもできなかったはずだ。
 そのために、フランスでは中国人や華人を侮辱しても、罰せられることはなかった。
 しかし、フランスにも上流社会に進出し、高い地位にいる華人はいる。
 理解できないのは、彼らのような人々が、自分の同郷を守るために、表に出ることがあまりないことだ。
 この奇妙な風潮は、団結力が強い華人コミュニティのイメージとは、実に正反対である。

 しかし、今日、フランスで生まれた華人の二世、三世は、これまでのフランス社会に根付く「差別されても声を上げない」という風潮を一変しようと動き出している。
 今回の週刊誌ル・ポワンに対する提訴がその始まりである。
 裁判は2013年1月24日に始まる。