2012年12月13日木曜日

劣化する中国:中国工業化の終焉、政府に打つ手なし

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●10日、人件費の大幅な上昇や人材不足が海外製造業者の脱中国化を促進している。資料写真。



レコードチャイナ 配信日時:2012年12月13日 6時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=67379&type=0

世界の工場・中国が競争力失い、衰退していく
=海外企業は自国回帰へ―米誌


●9日、米誌フォーブスは、「どいてくれ、ミシガン州よ。世界で次に衰退する工業地帯は中国だ」と題した記事を掲載し、世界の工場にまで成長した中国が直面している問題点を列挙した。写真は中国・吉林省で廃業となった陶器工場跡。

 2012年12月9日、米誌フォーブス(電子版)は、
 「どいてくれ、ミシガン州よ。世界で次に衰退する工業地帯は中国だ
と題した記事を掲載し、世界の工場にまで成長した中国が直面している問題点を列挙した。
 11日付で環球時報が伝えた。

 中国北部・遼寧省の6市で、荒れ果てた工業用地を農地に転換する計画があるという。
 また、かつて工業発展の中心だった南部の広東省東莞市では、相次ぐ工場の倒産によって自治体の債務までが膨れ上がり、破綻寸前になっているという。
 米国を追い抜き、世界最大の製造大国となってわずか2年。
 中国は数十年にも及んだ工業化の終着点に直面しているようだ。
 しかも、こうした状況に対し、
 中国政府はほとんど打つ手がない状況である。

 今の中国には、市場競争力の優位性をはばむいくつかの現象が現れている。

①.まず初めに、国民の不満が頂点に達し、政府は環境保護政策の整備を急がざるをえなくなった。
②.次に、知的財産権侵害のリスクを憂慮する傾向が強まり、海外の中小企業が中国離れの傾向を示しはじめた。
③.3番目は、忘れかけられていた政治的リスクの増大
 これまで強大な経済的影響力を利用して中国政府が繰り広げてきた“地縁政治”は、周辺国国家とその企業に、巻き添えになる不安を植え付けている。
④.4番目は、各国の企業が納期短縮やコスト削減のため、より消費者に近い立地での生産を選ぶ傾向が出てきたことである。

⑤.5番目は最も重要で、安価で大量な中国の労働力に優位性が失われつつあることだ。
 中国の労働力は、2010年にすでにピークを迎えてしまった。
 これは政府の予測よりも6年も前倒しのタイミング。
 労働力不足は賃金の上昇を招き、中国人労働者らはストライキなどを通じて不満の声をあげるようになり、扱いにくくなった。

 労働力不足と労働コスト上昇の問題は、工場のオートメーション化を促進する。
 しかし、そのコストは、中国でも米国でも変わらない。
 米アップル社製品の製造を請け負う台湾系EMS企業・フォックスコン(富士康)は生産自動化を導入した結果、アップル社にそっぽを向かれた。
 アップル社は一部の生産ラインを米国へ戻す計画を発表したのである。

 ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の予測では、
 2015年までに米国の7つの産業分野で、自国での生産コストが中国を下回るようになる。
 中国の労働者よりも米国の労働者の方が生産性が高く、ストライキを起こすリスクも低い。
 さらに、国内で生産すれば運送コストだけでなく納期も短縮でき、併せてエネルギーにかかる費用もが安いからだ。


 中国の経済は脆い。
 というのは、輸出の半分は外資モノである。
 輸入も同じ。
 国内市場は成熟していない。
 安いものを海外に出してそれで稼いでいた。
 その半分は中国ではなく外資に入る。
 それでも外資と中国は儲けて儲けてウハウハしていた。
 だが、この世界不況と中国の不安定さ。
 世界の企業は合理的だ。
 もうからないとなるとさっっさと逃げ出す。
 日本の企業のように焼き討ちをあって大掛かりに逃げ出すこともあり得る。
 いずれにせよ、中国は一気に成長した。
 自信満々である。
 だ、その裏側は、皮一枚で首がつながっているところがある。
 問題はそれが見えないことだ
 よって、対策が立てられない。
 上層部はわかっていってもどうやっていいか、その答えがわからない。
 ただ、潰れるまで、せいぜい小手先目先をを変えて本質的には同じことを続けていくしか道がない。
 潰れるまでに、懐をあたため、財布を握ってトンズラするしか首脳部が歩む道はない。



レコードチャイナ 配信日時:2012年12月14日 5時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=67387&type=0

人件費上昇や人材不足、海外企業の脱中国化を促進―米メディア

 2012年12月10日、CNN(電子版)は中国に進出している英国企業を例に挙げ、人件費の大幅な上昇や人材不足が海外製造業者の脱中国化を促進していると指摘した。
 12日付で環球時報が伝えた。

 クッションなどを製造するある英国企業は04年に中国・浙江省に工場を設立し、現在は生産の半分以上を同工場でまかなっている。
 しかし、同社は現在、人件費急増などの原因で、中国から撤退し英国への工場回帰を検討している。

 同社によると、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟する以前、同社の競合相手の中国企業の製品販売価格は、同社の製造コストさえ下回っていた。
 当時の為替レートや英国に比べて約10分の1の人件費を考慮し、同社は中国進出を決定。
 04年に浙江省に工場を設立した。

 しかし、現在は様相が一変。
 中国国家統計局のデータによると、中国で製造業に従事する労働者の昨年の給与は約20%上昇した。
 同社の人件費総額は工場設立以来約5倍に膨れ上がっているという。
 さらに、運送費や梱包費用、関税、原材料コストなどの上昇が加わり、中国での製造に以前ほどメリットがなくなっている。

 一方で、同社がちゅうちょしているのは、英国へ工場を戻すにしても、中国と同様に人材不足という問題に突き当たるからだという。
 ただし、両国に存在する人材不足の原因には大きな違いがある。

 英国では大部分の工場労働者が50~60歳代に達しており、技術を持った若い労働者が見つかりにくい。
 これに対し、中国では若くて技術を持った労働者はいるものの、条件の良い働き口があればすぐに転職するなど、安定した労働力が確保できない。
 中国では特に、工場労働者が春節(旧正月)の帰省をきっかけにして、より条件の良い職場へと転職するケースが多い。

 こうした状況に、同社だけではなく、
 欧米から中国へ進出してきた多くの工場が、自国への回帰や他国への移転をすでに決定したり、現在検討しているという。





ニューズウイーク 2012年12月12日(水)16時24分 
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2012/12/post-2795.php

India's Growth to Surpass China's by 2030 ジェーソン・オーバードーフ

「中印経済がアメリカを抜く」の信憑性
20年後には中国とインドが欧米や日本に代わって世界経済の主役になるという分析は正しいのか

 20年以内に中国経済の規模はアメリカ経済を上回り、インド経済はそれ以上のスピードで成長する――12月10日、アメリカの情報機関がそんな報告書を出した。

 「中国の経済成長率が減速する一方で、インドは加速する」
と、米国家情報会議(NIC)の報告書は分析する。
 「2030年にインドは、現在の中国のような成長著しい経済大国になっている可能性がある。
 その頃、8〜10%という現在の中国の経済成長率は、遠い昔の記憶になっているだろう」

 さらに報告書は、2030年にはアジア全体の経済規模は、北米とヨーロッパを足したものを上回るとする。
 ヨーロッパや日本、ロシアなどの経済の規模は
 「相対的にゆっくりと縮小していく」
という。

 一方、中国の経済的な影響力が強まっても、アメリカは超大国の地位を維持すると報告書は予測する。
 地球規模の問題に対するときには、アメリカだけが世界的な協力体制を取りまとめ、リーダーシップを発揮することができるからだ。

 「地球的な規模で考えたとき、中国がアメリカの立場にとって代わることはないだろう」
と、NICのマシュー・バローズ委員は会見で語った。
 「世界最大の経済を持つことは重要だが、最大の経済大国が、必ずしも超大国であるとは限らない」

 だが、モルガン・スタンレーの新興市場部門責任者で、新著『ブレークアウト・ネーションズ』を発刊したルチル・シャルマを信じるなら、
 こうした予測は話半分に聞いておかなければならない。

 シャルマが10日、インド紙「エコノミック・タイムズ」に寄せた論説を紹介しよう。


 新興国の中で急速な成長を10年間続けられるのは3分の1程度の国々で、20年30年と成長を続けることはさらに難しい。
 これは歴史が証明している。
 急成長が続けば続くほど、それが終わりを迎える可能性は高くなる。
 多くの人々は長期的には新興国が豊かな国々に「追いつく」と考えているが、そうはならない。
 新興国の人々の平均的な収入は、豊かな国々の1950年当時の収入と同じくらいだ。

 インドは2000年代に力強い成長を遂げたが、それはつまり今後も過去10年と同じような成長が続く可能性が低くなったということだ。
 それに、すでに成長は減速している。


From GlobalPost.com特約



 これらに対する中国側の反論があった。


レコードチャイナ 配信日時:2012年12月15日 8時40分 
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=67445&type=0

海外企業の脱中国化は容易でない=代替国がなく、巨大マーケットも魅力―香港紙

 2012年12月12日、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、
 「多国籍企業の脱中国化」を複数のメディアが報じていることに対し、各種の反論を掲げ、多国籍企業が中国から離れることは容易ではないと説いた。
 13日付で環球時報が伝えた。

 一部のメディアは、中国における労働コストの高騰と米国のエネルギーコストの安さが米国企業の国内回帰を促進しているとし、さらに、北京や上海など中国の主要都市の生活コストが急上昇し、多国籍企業や外国人職員が中国を離れていると報じている。

 世界レベルで見れば、製造業者が世界各地を渡り移っていくことは何も目新しいニュースではない。
 いわゆるアジアの新興国が中国に取って代わり、今すぐにでも「新たな世界の工場」になるなどとの説明は現実離れし過ぎている。

 過去5年間ほど、筆者は何度かこの種の討論に参加してきたが、これまでに大規模な産業移転の状況にはお目にかかったことがない。
 その理由には、次のようなものが考えられる。

1]. まず、多国籍企業は確かに低コストを追求しているが、すべての多国籍企業がそうというわけではなく、実は少数にすぎない。
 一部の多国籍企業は中国への投資を加速している可能性さえある。
 在上海米国商工会議所が09年に行った調査によると、大多数の企業の中国進出の動機は、中国の資源だけが目的ではなく、中国の資源と中国での販売の両方にあった。

2].次に、中国の大都市での経営コストは確かに上昇を続けているが、多くの企業は生産ラインをすでに中国内陸部と西部に移転している。
 しかも、こうした地域では現在、以前は経済特別区などでしか享受できなかった優遇措置を提供している。

3].そして、確かに一部の企業は中国を離れているが、その他の新興国はどう逆立ちしても第2の中国にはなり得ないという事実がある。
 これらの新興国では、中国のビジネス環境が擁している規模や業種、関連のインフラなどを提供できない。

 つまり、中国から新興国への産業の移転は確かに始まっているが、すべての企業がこの流れに乗っているわけではない。
 重要なのは、多国籍企業は中国で生産し、かつ販売するという新戦略を展開していることである。
 このことが企業の中国からの移転決定を難しくしているのだ。


 おそらくこの反論は正しいと思う。
 中国からの撤退は中国分を除いた世界分の生産の撤退である。
 そして、中国での生産は
 「中国人のための、中国国内での、中国消費製品の生産」
である。
 中国は
 世界の工場から、中国市場のための工場へ」
そして
 「中国製品は中国人の消費のために」
という形をとっていくということである。

 よって、外資は中国市場をクローズされた市場として捉え、非中国販売品の部分は非中国で生産しようとする脱中国である。
 中国はこれからも巨大市場であり続けるが、このグローバル化した世界の中で、世界とはリンクしない形、つまりクローズドな形として外資は捉えていくことになるだろうということである。
 問題はそのように世界から切り離された形での消費市場として君臨する中国市場は、世界にとってどういうことになるのかというこである。
 これは世界ではじめてのケースなので、解答があるわけではない。
 ただ大掛かりな授業が始まったのでそれを注視していくだけである。






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