2012年12月12日水曜日

1億5900万人の出稼ぎ農民:困窮ネズミ族に生活の未来はあるのか?

_


●9日、南方都市報は中国政府の研究チームが戸籍制度改革提言のレポートをまとめていたと報じた。1億5900万人もの農民が都市に住んでいるが、現行制度では都市住民の戸籍を取れず、「出稼ぎ農民」という身分にされている。写真は北京市の住民戸籍簿。



レコードチャイナ 配信日時:2012年12月11日 18時35分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=67261&type=0

1億人超の「出稼ぎ農民」を都市民にすべく、大胆な戸籍改革が必要
=研究チームが提言―中国

 2012年12月9日、南方都市報は中国政府の研究チームが戸籍制度改革提言のレポートをまとめていたと報じた。
 レポートは公表されていないが、南方都市報が独自に内容を入手し報道した。

 中国国家発展改革委員会マクロ経済研究院都市化戦略研究課題グループは、先日開催された全国発展改革システム研究院年度大会で戸籍制度の改革を提言した。
 1億5900万人の出稼ぎ農民が都市で暮らしているが、
 戸籍の移動を厳しく制限する現行政策のため、彼らはいまだに農村戸籍のままだ。

 提言では実際の住所と戸籍とに大きな違いがある現行制度が、出稼ぎ農民の都市民化を阻む要因だと分析している。
 例えば広東省東莞市虎門鎮。
 戸籍上の人口は10万人だが、出稼ぎ農民を合わせた人口は100万人にふくれあがる。
 しかし学校など公共サービスは人口10万人を想定しているため、大きなミスマッチができる。

 また、出稼ぎ農民の都市における住宅を保証するべく、農村の住宅用地を都市の住宅と交換したり、あるいは出稼ぎ農民たちが共同出資して都市にマンションを作ることを認可することなど、さまざまな改革プランが提案されている。





レコードチャイナ 配信日時:2012年12月13日 9時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=67373&type=0

「家なし」「戸籍なし」、都会の若者が抱える孤独・焦燥感―中国

●12日、故郷を離れ、北京市・上海市・広州市などの大都市に出て働く若者がますます増えている。彼らは、精一杯黙々と働いているが、心の奥底は決して穏やかではない。写真は今月7日河南省鄭州市の市で野宿をする出稼ぎ労働者たち。

 2012年12月12日、故郷を離れ、北京市・上海市・広州市などの大都市に出て働く若者がますます増えている。
 彼らは、精一杯黙々と働いているが、心の奥底は決して穏やかではない。
 都会生まれの若者と異なり、地方出身者が大都会になじむ日はいつまでたっても来ない。
 たとえマイホームや自家用車を手に入れても、心の奥にある悩みは完全に消失することはなく、彼らの焦燥感は蔓延する一方だ。
 生命時報が報じた。

 近く結婚する予定の王(ワン)さんは、最近ますますイライラが募っている。
 王さんとフィアンセの女性はともに、広東省広州市に戸籍がないため、同市で結婚証明書を受理することができない。
 経済適用住宅(低所得者向けの廉価住宅)や廉価賃貸住宅が申請できないことは言うまでもない。
 将来子供が出来た場合、大学・大学院進学などの学校問題や就業問題にも頭を悩ますことは目に見えている。
 王さんは、広州に住んで12年になるが、この大都市の華やかさやにぎやかさは、自分とは一切関係がないという事実に、今改めて気がついたという。
 「朝の出勤時から、小さなパニック感に襲われます。
 自分がどうすれば良いのか全く分からず、結婚も今は棚上げの状態です」
と話した。

 河北省出身の李(リー)さんは、10年間北京市で必死の思いで働き、北京戸籍を手に入れ、マイホームもマイカーも手に入れた。
 傍から見ると、彼の願いは全て実現したように見える。
 しかし、「ハード面」での条件が全て満たされた後も、李さんは深い焦燥感を覚え、自分が北京人であるという帰属感は少しも感じられないという。
 「ここで毎日普通に生活していますが、生粋の北京人からは、意図的・無意識にかかわらず、『外来者』と見なされます。
 自分が何者なのか分からないという『アイデンティティーの喪失』は、物質的なもので補うことはできません」
と李さんは語った。

 同じような状況に置かれている若者は非常に多い。
 20~40歳の都市の「漂族(都市戸籍を持たずに都市で暮らす外来者)」を対象とした調査の結果、9割の人が「胸中は焦燥感で一杯」と答えた。
 焦燥感を感じる理由として、
 「孤独感や寂しさを感じる」
 「帰属意識がない」
 「アイデンティティーが欠落している」
 自分が成長する活路を見いだせない」
などが挙げられた。
 一方、焦燥感が生み出される背景には、次のような客観的事実も存在している。

1)不合理な戸籍制度
 「都市戸籍を持っていないことによる焦り」
が、外来者にとって最大の問題だ。
 ある人が都市戸籍を持っているか否かによって、都市生まれの人々がその人を見る目が大きく変わる。
 「都会っ子ではない」という負い目によって、外来者は都会になじめなくなり、さらには、卑屈な気持ちや焦燥感が彼らの中に生まれる。

2)郷里に対する深い思い
 伝統文化の影響から、中国人の郷里に対する想いは極めて深い。
 家と故郷という概念が常に混沌とする中で、
 「自分の家はここにある。自分はこの地域の一員だ」
という確固たる思いが生じれば、それが帰属意識となる。
 外来者の若者にとって、自分と生活している都市との心理的距離はあまりにも遠く、都市はお金を稼ぎ、生存していくための場所に過ぎないのが現状だ。

3)大きく立ちはだかる「マイホーム」の壁
 「マイホームを持って初めてその土地に根を下ろしたと言える」
というのは、ごく常識的な考え方であり、家は幸福感をはかるための重要な指数だ。
 しかし、住宅価格の高騰や購入制限制度は、彼らに大きなプレッシャーをもたらした。

4)盛り上がらない社会世論
 農民工、一時労働者、流入人口など、よく似た言葉が世間をにぎわせている。
 実のところ、これらは階級制度を反映する言葉であり、外来者の若者達の都市への所属感を下げ、卑屈な心理をもたらす要因となっている。

5)激化する競争
 故郷を離れ大都会に出た若者たちは、必死で働き夢を実現するという重い責務を担っている。
 だが、競争において、またいくつかの「不公平」に直面しなければならない。
 この競争激化と不公平感によって、彼らは焦燥感をますます募らせていく。

 地方から大都会に出てきた若者たちには、社会の支持と受容が必要だ。
 まず、世論が正しい方向を向き、明らかに階級制度を反映するような言葉の使用を控え、彼らが受けるプレッシャーを軽減する必要がある。
 次に、外来者の若者は、自分自身を肯定する術を身につけ、伝統的観念から自らを解放し、自分自身を励まし、
 「この都市で生きていくのは、並大抵の能力ではできないことだ」
と自分に誇りをもたなければならない。
 自分が「都市の主人」だと自覚し、アイデンティティーを高める必要がある。
 最後に、大都市に生まれた人々は、これらの「新住民」を広い心で受け入れ、故意に境界線や隔たりを作ることないよう、心掛けるべきだ。
(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/内山)



 「自分が「都市の主人」だと自覚し、アイデンティティーを高める必要がある
とは言うが、どうやってそれをなしたらいい。
 通常なら、一票の投票権があるかないかで決められる問題が、ここでは解決がない。
 あくまで、根無し草であるのだから、「自分が都市の主人だ」なんで自覚が生まれるはずがない。
 まったく、ただ言葉を並べるだけの人民網である。







_