胡錦濤が軍事委員会のトップの席を手放し引退するといい、温家宝が隠居生活に入ると公言している。
いわゆる胡錦濤派が江沢民派によって共産党から締め出されたようにとれる動きを見せている。
ほんとうに胡錦濤派は叩き潰されたのであろうか。
先の薄煕来の失脚によって毛沢東派も勢いを失っている。
いま、共産党を牛耳っているのは、唯一江沢民しかいない。
しかし、いまは80才。
消え去る時を見据えて、各派閥は今はツノを引っ込め行方を見守っているというところだろう。
江沢民が消えたとき、一気に吹き出し激しい派閥闘いが展開されるかもしれない。
『
レコードチャイナ 配信日時:2012年11月23日 7時45分
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<コラム・巨象を探る>
江沢民派優勢も胡錦濤氏が5年後に布石―次世代トップも絞られる?―チャイナ7
2012年11月、第18回大会中国共産党全国代表大会(党大会)で事実上のトップである党総書記が胡錦涛氏から習近平氏に交代。
今後10年にわたりこの国を率いることになる習氏の一挙手一投足に世界の耳目が集まっている。
中国の政治体制は、日米英など民主主義国家に比べて極めて特異で分かりにくい。
国会に相当する全国人民代表大会(全人代)が最高意思決定機関とされているが、これを指導するのが共産党中央委員会政治局委員(25人)。
この中からさらに選ばれた超エリート集団である政治局常務委員会が最上位の「意思決定」を行う。
政策は常務委員による多数決で決められる。
常務委員は胡錦濤総書記時代には9人だったが、習近平新体制では「意思決定を迅速にする」との理由から7人となった。
厳格な定年制(就任時に68歳未満)が敷かれ、任期は5年。
条件を満たせば2期10年勤め上げることができる。
年齢を加味した任期交代制、集団合議制なので、リビアやエジプトのように独裁者が数十年も君臨するような弊害を抑止できるという。
7人の常務委員(チャイナ7)に選任されたのは、留任の習総書記と李克強次期首相のほか、
張徳江・副首相兼重慶市党委書記、兪正声・上海市党委書記、劉雲山・中央宣伝部長、王岐山・副首相、張高麗・天津市党委書記の五人が昇格した。
常務委員争いでは胡錦濤氏の出身母体である党の青年組織「中国共産主義青年団(共青団)」出身者を中心とした勢力と江沢民元国家主席に近い勢力が、権力闘争を展開していたが、結局、大半が江氏に近いベテラン組で占められた。
李源潮・党中央組織部長、汪洋・広東省党委書記ら共青団系の改革派候補は政治局員にとどまった。
しかし、五年後には今回昇格した常務委員が定年で退く見込みのため、これら改革派候補が「チャイナ7」入りする可能性が高い。
胡氏は党中央軍事委員会主席のポストも習氏に譲り、「完全引退」した。
引退後も影響力を保ってきた江氏の「長老政治」に終止符を打つことが狙いで、胡氏は側近の若手の登用に道を開き、隠然たる影響力を残したと言える。
▽次世代トップ、「共青団エリート」と「最年少農相経験者」が競う
政治局員には共青団出身の胡春華・内モンゴル自治区党委書記、孫政才・吉林省党委書記が抜擢され、一〇年後の「ポスト習」候補となるとみられている。
共青団エリートの胡春華氏は国内最高峰の北京大に16歳で入った秀才で、共青団出身。
胡前総書記の秘蔵っ子で、チベット、内モンゴルと民族問題を抱える地方勤務をこなしてきた。
同氏は工業先進地の広東省党委書記となる見通し。
人件費の上昇を受けて労働集約型産業からハイテクやサービス業などへの産業構造転換が進む地域。
抗議デモや紛争が多発しており適切な対応が試される。
孫氏も「ポスト習世代」の有力株。
農業の専門家で、北京市党委の秘書長時代に、当時の党委書記で江沢民氏に近い賈慶林・全国政治協商会議(政協)主席に見出され、43歳の若さで農業相に抜てきされた。
共青団のエリートである胡氏と江沢民グループの流れに乗る孫氏が今後5年間でいかなる実績を残せるか注目を集める。
習総書記は記者会見で「五千年の歴史を有し、文明の進歩に貢献した中華民族は偉大だ」と強調、
「共に豊かになることを目指し、汚職や腐敗、官僚主義という深刻な課題を必ず解決する」
と決意を述べた。
党大会活動報告には初めて「国の海洋権益を断固守る」との文言が入り、海洋進出への強い国家戦略が示された。
また習総書記は政治局の会合で、「物は腐敗してから虫が寄生する」との中国故事を引用。
腐敗が党の崩壊を招くとの見方を強調した。
さらに
「ここ数年、一部の諸国は長期間にわたって矛盾を蓄積し、民衆の怒りや社会不安、政権の崩壊を招いた。
これら全てで腐敗が重要な要因となった」
と指摘。
「多くの事実が物語っているように、腐敗問題が深刻化すれば最終的に必ず『亡党亡国』をもたらす。
われわれはこのことに気付かなければならない」
と述べた。
党幹部や官僚組織の腐敗撲滅にかける並々ならぬ決意を就任早々から強く打ち出しており、その手腕が注目される。
<「コラム・巨象を探る」その20>
<「コラム・巨象を探る」はジャーナリスト八牧浩行(Record China社長・主筆)によるコラム記事>
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