2012年11月29日木曜日

中国共産党機関紙・人民日報の恥ずべき大失態:「最もセクシーな男性は金正恩」


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● 人民日報版:世界で最もセクシーな男:金正恩

Chinese State Media Fooled By Onion's "Sexiest Man Alive," Kim Jung-Un


●「Onuion's」の記事「"Sexiest Man Alive," Kim Jung-Un」に引っかかってしまった人民日報


いや、こういうこともあるのですね。
あの「人民日報」が!


ロケットニュース24 2012年11月28日
http://rocketnews24.com/2012/11/28/271184/

中国共産党機関紙が盛大に釣られたと話題に 
米国パロディサイトが報じた「最もセクシーな男性は金正恩」を真に受けてわざわざ特集ページまで組む

先日、中国共産機関紙『人民日報』でセンセーショナルなニュースが報じられた。
その内容は
「米国メディアが選ぶ2012年世界一セクシーな男は北朝鮮のキム・ジョンウン氏」
というものだ。

秘密のベールに包まれた彼が世界一セクシーな男性に選ばれる!?
本当だったらかなり衝撃的だ。
人民日報もジョンウン氏の写真を55枚も使用しわざわざ特集ページまで組み、世界中に配信した。

しかし、この「米国メディア」とは、風刺やパロディ記事で知られる『The Onion』。
日本で言うところの『虚構新聞』のようなものだ。
人民日報は盛大に釣られてしまった形である。

もちろん、同誌が
「キム・ジョンウン氏を世界一セクシーな男性と選んだ」
というのも風刺記事である。
だが、人民日報はそれに気づかず真実として報道
The Onionの記載を引用し、

ジョンウン氏は、人を窒息させるほどのイケメンぶり、丸々とした顔、四六時中放ちまくる男性的な魅力、強健な体つき、常人離れしたファッションセンス、完璧に計算しつくされたヘアスタイル、そしてあの人を酔わせる笑顔……説明するまでもなく彼は世界中の乙女が憧れる白馬の王子様だ

と記述。
そして、キム・ジョンウン氏のお宝写真55枚を厳選し、わざわざ特集ページを組んだという。
ハンパない力の入れようである。
そして、このニュースは人民日報各国版で報道された。
しかし、すぐにパロディニュースを信じて報じてしまったことが発覚したのである。

この報道に中国ネットユーザーは

「クソ笑った」
「ああ、The Onionか」
「どうした人民日報(笑)」
「人民日報もついにユーモアを取り入れたか!」
「人民日報がThe Onionと提携したかと思ったわ」
「西洋のジョークは通じないらしい」
「ほら、久々の共産圏のいいニュースだから(笑)」
「ある意味人民日報が最大のパロディサイトだよな」
「恥ずかしいなぁ」
「外国にまで恥をさらしちゃったね」

などとコメント。

中国でも『The Onion』は知られているようで、多くのネットユーザーは、
一目見て人民日報が釣られたとわかった
との旨のコメントをしている。

だが、なかには
私は本当のニュースかと思って信じちゃった。
 世界の“セクシー”の基準に悩んでいたところだったよ
と、コメントするネットユーザーもおり、信じてしまった読者もいるようだ。

なお、人民日報では当該記事はすでに削除されてしまっている。
だが、この報道はアメリカの大手メディアでも取り上げられ、『The Onion』にも伝わったそうだ。
『The Onion』は
「私たちOnion社の誇る共産党子会社『人民日報』はこちら」
とリンクを貼り歓迎している様子である。

(文=澤井恵)
参照元:煎蛋(中国語)、The Onion(英語)

▼こちらの動画でお宝写真の一部が見られるぞ
Kim Jong Un, the Sexiest Man Alive?






ブルームバーム 更新日時: 2012/11/29 08:00 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-ME73AG6K51CB01.html

【コラム】あの方をセクシーと本気で伝える世界で唯一の場所 



 11月29日(ブルームバーグ):中国共産党機関紙、人民日報の英語版は、風刺で知られる米紙オニオンが選んだ「2012年の最もセクシーな男:北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記」という記事を基に金氏の乗馬姿などの写真55枚から成るスライドショーをウェブサイトに掲載した。

 人民日報のエディター連中の冗談なんだろうとは思う。
 だがそうでないとしたら、こうした風刺記事がどのようにして変貌を遂げたのかを解析するのはそれほど難しいことではない。
 オニオンが得意とする皮肉は、中国当局の裁きを示す最も重要なメディアで思いもつかない
  3つの顕著なバイアスのかかった編集を通じ、完璧な換骨奪胎の材料となった。

1.1番目のバイアスが見られるのは、ヒーロー気取りのポーズを決めた職務中の金氏を撮った写真を含むフォトエッセーだ。
 この種の報道は金氏が北朝鮮の最高指導者となって間もなく始まった。
 今では金氏に絡んだ写真が頻繁に登場する。
 例えば21日の12枚の写真から成る「朝鮮人民軍の乗馬訓練場を視察する金正恩」だ。

 サイト上でこの記事を読むと、最初に出てくる写真があの「最もセクシーな男」のスライドショーの1番目の写真と同じものだと分かる。
 その2日後の23日、りりしさでは見劣りがするものの見逃すことのできない重要な「朝鮮民主主義人民共和国の金第1書記が国家安全保障省を訪問」と題された8枚の写真が掲載された。
 こうした報道はこのサイト中にあふれている。

  === 称賛、称賛、称賛 ===

2.2番目のバイアスは、もともと中国を批判する海外の声がいつの間にかに外国の首脳や報道機関が中国を称賛しているという記事にすり替わってしまうことだ。
 例えば今月開催された第18回共産党大会に先立ち、人民日報は4枚の写真を掲載。
 そこには「第18回党大会のプレスセンターを絶賛する記者ら」というタイトルが付けられていた。

 こうした編集傾向は以前からだ。
 コペンハーゲンで09年に行われた気候変動をめぐる国際会議が不調に終わり、中国にその大きな責任があるとの見方が伝えられた後、人民日報は
 「世界のメディアがコペンハーゲン気候会議への中国の貢献を称賛」
という記事を配信。
 中国のプレッシャーいっぱいの大学受験を批判的に捉える海外報道は毎年恒例となっているが、10年には
 「英メディアが中国の大学入試制度を称賛」
と題された記事が掲載された。

 金氏は中国人ではない。
 だが中国に依存する北朝鮮という国家の指導者であり、そして中国の指導部は北朝鮮について深刻な懸念を抱いている。
 つまり、ルックスであれ海外において金氏が称賛されれば全く好都合というわけだ。

3.3番目のバイアスは、人民日報のセクシーな写真報道への関心そのものだ。
 今月の「自動車ショーの魅力的な美女たち」と題された写真52枚からなるスライドショーでは、露出度の高い服を着た女性モデルが展示車に寄り添う姿が並ぶ。
 その数日前には「第3回ハルビン秋季自動車ショーのセクシーなカーモデル」というスライドショーもお目見えした。

  === プロパガンダ ===

 こうしたセクシーなスライドショーが露骨な政治的プロパガンダに使われても驚きはない。
 「第18回共産党大会の美しい風景」
での美景とはつまり、この極めて重要な政治イベントで働く若い女性たちのことだ。

 北朝鮮を率いる金氏をセクシーだと本気で思う人はほとんどいないだろうし、金氏が世界一セクシーな男性とは程遠いことに疑問の余地はない。
 多くの人が人民日報をセクシーだと見なすこともないだろう。
 だが、外国メディアが金氏をこう称賛していると伝えたり、少なくともそれを願う場所が世界に1つあるとすれば、それが人民日報の英語版ウェブサイトであるのは間違いない。

(アダム・ミンター)
(ミンター氏はブログ「ワールド・ビュー」の上海特派員です。このコラムの内容は同氏自身の見解です)

原題:Why China’s People’s Daily Found Kim Jong-Un So Sexy: TheTicker(抜粋)





TBSニュース 29日11:55
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5193847.html

「世界一セクシーは正恩氏」冗談記事転載 



 アメリカの風刺メディアが、「世界一セクシーな男性」として北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第一書記を選びましたが、この冗談の記事を、
 中国共産党の機関紙である「人民日報」が真に受けて、転載していた
ことが明らかになりました。

 アメリカの風刺メディア・『ジ・オニオン』は今月14日、
 「金正恩氏を2012年の最もセクシーな男性」
に選んだとする冗談の記事をウェブサイトに掲載しました。

 中国共産党の機関紙である『人民日報』の電子版は27日、この記事を真に受けた形で引用し、
 「正恩氏はおそろしいほどハンサムで、その丸い顔が人々を虜にする」
としたうえで、
 「女性を夢中にさせる平壌のスーパー美男子である」
と伝えました。

 「ちょっとこれはコメントしにくいですね」(北京市民)

 人民日報は転載した記事をすでに削除していますが、『ジ・オニオン』は、
 「金正恩氏についてもっと知りたければ、わたしたちの友人である人民日報のサイトをクリックしてほしい」
と追い打ちのコメントを掲載しています。